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配偶者ビザから永住ビザへ切り替え
結婚をきっかけに「配偶者ビザ」を取得し、今後日本で長期間暮らすことを望む人たちの中には、「永住ビザ」の取得を目標とする方がたくさんいます。そこで今回は、配偶者ビザから永住ビザへの切り替えに関する利点や、取得の重要なポイントについて、一般的な疑問を交えてご説明いたします。
配偶者ビザと永住権の違い
【配偶者ビザ】
在留資格 | 日本人の配偶者等 |
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対象者 | 日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の実子 |
在留期間 | 5年、3年、1年、6月 |
更新の必要 | あり |
就労制限 | なし |
配偶者と離婚、死別した場合 | 在留資格変更の必要あり |
【永住権】
在留資格 | 永住者 |
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対象者 | 法務大臣が永住を認める者 |
在留期間 | なし |
更新の必要 | なし |
就労制限 | なし |
配偶者と離婚、死別した場合 | 在留資格変更の必要なし |
離婚・死別しても永住権は取り消されない
上記のように永住許可を取得するとメリットが多く、在留期間の更新も必要なく、万が一死別・離婚などしても在留資格の変更をしなくても問題ありません。もちろん、取り消されることもないので安心してください。もし、配偶者ビザのままであれば在留期限までに新たなビザを取得するか母国へ帰らなければいけません。永住権を取ることは外国人配偶者にとってメリットはあってもデメリットはないのです。
配偶者ビザから永住権を取る要件
(永住許可)
第二十二条 在留資格を変更しようとする外国人で永住者の在留資格への変更を希望するものは、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し永住許可を申請しなければならない。
2 前項の申請があつた場合には、法務大臣は、その者が次の各号に適合し、かつ、その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合においては、次の各号に適合することを要しない。
一 素行が善良であること。
二 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
3 法務大臣は、前項の規定による許可をすることとしたときは、出入国在留管理庁長官に、当該外国人に対し、その旨を通知させるものとする。この場合において、その通知は、出入国在留管理庁長官が、入国審査官に、当該許可に係る外国人に対し在留カードを交付させることにより行うものとする。
4 第二項の規定による法務大臣の許可は、前項の規定による在留カードの交付があつた時に、その効力を生ずる。
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基本的な永住許可を得るためには上記の条件を満たす必要があるのですが、配偶者ビザを持っている方は条件緩和され、比較的永住権が取りやすくなっています。永住権を取るには
- 日本人,永住者及び特別永住者の配偶者の場合,実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること。
以上の条件になります。「よっしゃ、条件満たしてる!申請したら絶対とれる!」そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、上の赤字で書いている通り、それらをキッチリと証明しなければなりません。
実態を伴った婚姻生活とは
実際に日本人と結婚しているものの、別居状態などで婚姻の実態が存在しない場合、永住権を取得することはできません。また、手続き上の結婚だけを行っている状況では、永住権どころか配偶者ビザの更新すら認められない可能性が高いです。
ただし、例えば夫が仕事で単身赴任していて、月の大半は別居しているといった状況で、一緒に暮らしていない期間に合理的な理由があれば、問題はないでしょう。
引き続き1年以上本邦とは
「引き続き」と書いてありますので、途切れることなく日本で1年以上生活を行っている必要があります。なので、配偶者ビザをとったけども、外国で生活や帰国して1年経っていないと申請しても意味がないということです。もちろん、引き続きですので合計で1年以上です!と言っても、引き続きに該当しません。
就労ビザの場合
日本人と結婚はしたが、配偶者ビザに切り替えず、そもそもの就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」のままで日本に在留していた場合はどうでしょうか?上記にも「配偶者ビザ」を取って婚姻生活を送っている場合などといった条件はないので、問題ありません。あくまでも実態を伴った婚姻生活が3年以上、引き続き1年以上本邦に在留していることが条件となります。
配偶者ビザから永住権の切り替えで必要書類
項目 | 内容 |
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1. 永住許可申請書 | |
2. 写真(縦4cm×横3cm) | 指定の規格を満たした写真を1枚添付して提出してください。 ※16歳未満の方は、写真の提出は不要です。 |
3. 身分関係を証明する資料 | (1) 申請人が日本人の配偶者の場合 配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)1通 (2) 申請人が日本人の子である場合 日本人親の戸籍謄本(全部事項証明書)1通 (3) 申請人が永住者の配偶者である場合 婚姻関係を証明するもの(婚姻証明書1通、適宜申請人と配偶者の身分関係を証する文書) (4) 申請人が永住者または特別永住者の子である場合 親子関係を証明するもの(出生証明書1通、適宜申請人と永住者または特別永住者との身分関係を証する文書) |
4. 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票 | 1通(個人番号(マイナンバー)は省略し、他の事項については省略のないもの) |
5. 申請人または申請人を扶養する方の職業を証明する資料 | (1) 会社等に勤務している場合 在職証明書1通 (2) 自営業等である場合 確定申告書控えの写し1通、営業許可書の写し(ある場合)1通 ※ 自営業等の方は、自ら職業等について立証していただく必要があります。 (3) その他の場合 職業に係る説明書(書式自由)及びその立証資料適宜 ※ 申請人及び配偶者の方お二方とも無職の場合についても、その旨を説明書(書式自由)に記載して提出してください。 |
6. 直近(過去3年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料 | ※ 日本人、永住者及び特別永住者の実子等の場合は、直近1年分の資料を提出してください。 (1) 住民税の納付状況を証明する資料 ア 直近3年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通 イ 直近3年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等) (2) 国税の納付状況を確認する資料 源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書(その3) (3) その他 次のいずれかで、所得を証明するもの 預貯金通帳の写し適宜 上記aに準ずるもの適宜 ※ Web通帳の画面の写し等(取引履歴が分かるもの)であっても差し支えありません。 ただし、加工等できない状態で印刷されたものに限ります(Excelファイル等は不可)。 |
7.申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料 | ※ 公的年金の保険料の納付状況を証明する資料、公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料については、令和元年7月1日から申請時に提出を求めていますが、令和元年6月30日までに申請された方についても、審査の過程において求める場合がありますので、あらかじめ御承知おき願います。 ※ 過去2年間に加入した公的年金制度及び公的医療保険制度に応じ、次のうち該当する資料を提出してください(複数の公的年金制度及び公的医療保険制度に加入していた場合は、それぞれの制度に係る資料が必要です。)。 ※ 日本人、永住者及び特別永住者の実子等の場合は、直近1年分の資料を提出してください。 ※ 基礎年金番号、医療保険の保険者番号及び被保険者等記号・番号が記載されている書類(写しを含む。)を提出する場合には、これらの番号の部分を黒塗りにするなど、基礎年金番号、保険者番号及び被保険者等記号・番号を復元できない状態にした上で御提出ください。(1)直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料 ※ 基礎年金番号が記載されている書類について、当該番号の部分を黒塗りするなど、基礎年金番号を復元できない状態にした上で提出してください。 ※ 次のア~ウのうち、国民年金以外の年金(厚生年金など)に加入している方は、ア又はイの資料を提出してください。 ※ 直近2年間において国民年金に加入していた期間がある方は、ア又はイの資料に加え、ウの資料も提出してください。 ※ 直近2年間の全ての期間において引き続き国民年金に加入している方は、ウの資料を提出してください。直近2年間分(24月分)のウの資料を提出することが困難な場合は、その理由を記載した理由書及びア又はイの資料を提出してください。 ア 「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもの) ※ 日本年金機構から封書でねんきん定期便が送付されている方(35、45、59歳の誕生月)は、同封されている書類のうち〈目次〉において、『〇ねんきん定期便(必ず御確認ください)』欄の枠内に記載されている全ての書類を提出してください。 ※ なお、毎年送付されるハガキ形式のねんきん定期便もありますが、全ての期間が確認できないため提出書類としては御使用いただけません。 ※ 「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもの)は、日本年金機構の以下の問合せ先に御連絡いただくことにより交付申請を行うことができます。 交付申請の際は、『全期間分(封書)を交付希望』とお伝えください(申請から交付までに2か月程度を要します。)。 【問合せ先電話番号】 ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号 : 0570-058-555(ナビダイヤル) 050で始まる電話でかける場合 : 03-6700-1144 イ ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面 ※ 「ねんきんネット」は日本語のみ対応しており、外国語には対応していませんのでその旨御留意ください。 ※ 日本年金機構のホームページ(以下のURLを参照)から、ねんきんネットに登録することができます。 なお、登録手続には最大5営業日程度かかる場合があります。 https://www.nenkin.go.jp/n_net/index.html ※ 申請時の直近2年間において、国民年金の被保険者であった期間がある方は、「各月の年金記録」の中にある、「国民年金の年金記録(各月の納付状況)」の印刷画面も併せて提出してください。 ウ 国民年金保険料領収証書(写し) ※ 直近2年間において国民年金に加入していた期間がある方は、当該期間分の領収証書(写し)を全て提出してください。 提出が困難な方は、その理由を記載した理由書を提出してください。 ※ 直近2年間の全ての期間において国民年金に加入していた方で、直近2年間(24月分)の国民年金保険料領収証書(写し)を提出できる場合は、上記ア又はイの資料を提出していただく必要はありません。(2) 直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料 ※ 保険者番号及び被保険者等記号・番号が記載されている書類(写しを含む。)を提出する場合には、これらの番号の部分を黒塗りにするなど、保険者番号及び被保険者等記号・番号を復元できない状態にした上で御提出ください。ア 健康保険被保険者証(写し) ※ 現在、健康保険に加入している方は提出してください。 ※ 直近2年間の全ての期間において引き続き健康保険に加入している方は、イ~エの資料は不要です。 イ 国民健康保険被保険者証(写し) ※ 現在、国民健康保険に加入している方は提出してください。 ウ 国民健康保険料(税)納付証明書 ※ 直近2年間において国民健康保険に加入していた期間がある方は、提出してください。 エ 国民健康保険料(税)領収証書(写し) ※ 直近2年間において国民健康保険に加入していた期間がある方は、当該期間分の領収証書(写し)を全て提出してください。 提出が困難な方は、その理由を記載した理由書を提出してください。 (3)申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合 申請時に、社会保険適用事業所の事業主である方は、上記の「公的年金の保険料の納付状況を証明する資料」及び「公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料」に加え、直近2年間のうち当該事業所で事業主である期間について、事業所における公的年金及び公的医療保険の保険料に係る次の資料ア又はイのいずれかを提出してください。※ 健康保険組合管掌の適用事業所であって、アの保険料領収証書(写し)の提供が困難である場合は、日本年金機構が発行するイの社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書に加え、管轄の健康保険組合が発行する健康保険組合管掌健康保険料の納付状況を証明する書類を提出してください。 ア 健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し) ※ 申請される方(事業主)が保管されている直近2年間のうち事業主である期間における、全ての期間の領収証書(写し)を提出してください。 全ての期間について領収証書(写し)が提出できない方は、下記イを提出してください。 イ 社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書(いずれも未納の有無を証明・確認する場合) ※ 申請書の様式や申請方法等は日本年金機構ホームページを御参照ください。 社会保険料納入証明書については、以下のURLから、「1. 社会保険料納入証明書」の申請様式「社会保険料納入証明申請書」により、出力区分「一括用のみ」及び証明範囲区分「延滞金含む」を選択して申請してください。 また、「社会保険料納入確認(申請)書」については、以下のURLから、「2. 社会保険料納入確認書」のうち、申請様式「社会保険料納入確認(申請)書(未納の有無を確認する場合)」により申請してください。 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyonushi/sonota/20140311.html ※ 日本年金機構ホームページトップ画面右上の 「サイトマップ」>「年金について(しくみや手続き全般)」>「厚生年金保険」欄の「事業主向け情報」>「事業主向け情報(その他)」>「納入証明書・納入確認書」 からアクセスできます。 |
8. パスポート(旅券)又は在留資格証明書 提示 | パスポート(旅券)又は在留資格証明書の提示ができない場合は、その理由を記載した理由書を提出してください。 |
9. 在留カード 提示 | ※ 申請人以外の方が、当該申請人に係る永住許可申請を行う場合には、在留カードの写しを申請人に携帯させて、来庁する方が申請人の在留カードを持参してください。 資格外活動許可書の交付を受けている方は、資格外活動許可書も提示してください。 |
10. 身元保証に関する資料 | (1) 身元保証書 1通 ※ 身元保証人には、通常、配偶者の方になっていただきます。(2) 身元保証人に係る次の資料 身元保証人の身分事項を明らかにする書類(運転免許証写し等) |
11. 了解書 1通 | ※ 2021年10月1日から、永住許可申請には了解書の提出が必要となりました。 |
上記の書類を出せば必ずとれるのか
答えは取れるとは限りません。上記は法定書類であり、他に任意で別の書類を提出する必要があります。
あくまでも上記書類がなければ、窓口で受理さえされないという最低限の書類になります。
行政書士に依頼しよう
行政書士に依頼すると以下のようなメリットがあります。
- 専門知識と経験: 行政書士は、法律や手続きに関する専門知識を持っており、経験豊富です。そのため、適切なアドバイスやサポートが受けられます。
- 節約できる時間: 在留資格の申請には多くの書類が必要で、手続きも複雑です。行政書士に依頼することで、自分で調べたり書類を作成する時間を節約できます。
- 高い成功率: 行政書士は、申請書類の作成や提出の仕方を熟知しているため、ミスが減り、成功率が高くなります。
- 迅速な手続き: 行政書士は、在留資格の申請に関する手続きをスムーズに進めることができます。これにより、申請が早期に完了する可能性が高まります。
- トラブルの回避: 行政書士は、申請に関するトラブルや問題を事前に予測し、回避することができます。これにより、安心して申請手続きを進めることができます。
- 更新や変更手続きのサポート: 在留資格を取得後も、更新や変更手続きが必要な場合があります。行政書士は、そのような手続きにも対応してくれます。
総合的に見ると、行政書士に在留資格の申請を依頼することで、手続きがスムーズに進み、時間や労力を節約できるとともに、トラブルを回避し、成功率を高めることが期待できます。そのため、素人の人にとっては、行政書士に依頼するメリットが大きいと言えます。
弊所の依頼費用
通常プラン | 100,000円 |
取次申請プラン | 150,000円 |
一度不許可になったケース | +50,000円 |
以上の費用になりますので、結果を重視される方は早めに問い合わせ下さい。業務がいっぱいになり次第、お断りすることがあります。
対応地域
この在留資格は福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県のみ取次申請プラン対応となります。
通常プランは全国対応です。
ZOOM等のオンライン対応可、来所可能な方は直接面談も行います。